2025年9月10日
「雪目(ゆきめ)」は冬だけじゃない?眼科医が解説する、夏の紫外線が引き起こす角膜のやけど
「雪目」という言葉を聞くと、多くの人がスキー場や雪山を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、その正体が紫外線による角膜のやけどだと知ると、話は変わってきます。 実はこの「雪目」、夏のマリンスポーツや登山、さらには日常生活の中でも起こりうる、非常に身近な目のトラブルなのです。
前の記事では「目の日焼け」としてご紹介しましたが、このコラムではその代表的な症状である「雪目(紫外線角膜炎)」に焦点を当て、なぜそれが起こるのか、そして冬と夏で異なる注意点について、さらに一歩踏み込んで解説します。

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※この音声は Google NotebookLM(AI生成ツール)により作成しました。(2025年9月10日生成)
「雪目」の正体は、紫外線による「紫外線角膜炎」
「雪目」は通称で、正式な病名は**「紫外線角膜炎(しがいせんかくまくえん)」または「電気性眼炎(でんきせいがんえん)」**と言います。 これは、非常に強い紫外線にさらされることで、目の表面を覆っている角膜の細胞がダメージを受け、炎症を起こす病気です。角膜は、目の一番外側にある透明な膜で、カメラでいえばレンズのフィルターのような役割をしています。このフィルターが、いわば「やけど」を起こした状態になるのです。
加えて肌の日焼けの特徴には、症状が出るまでのタイムラグがあります。紫外線を浴びてすぐには何も感じず、6〜10時間ほど経過してから、突然以下のような激しい症状に襲われます。
- 目をえぐられるような、耐え難い激しい痛み
- 大量の涙が止まらない
- 白目が真っ赤になる強い充血
- 普段の光が異常にまぶしく感じる
- 痛みのあまり、目が開けていられない
夜になって突然症状が現れることが多いため、パニックになって救急外来に駆け込む方も少なくありません。
なぜ「雪」山で起こりやすいのか?
では、なぜ特に「雪」のイメージが強いのでしょうか。それには「紫外線の反射率」が大きく関係しています。 地面の種類によって、紫外線をどれだけ反射するかは大きく異なります。
- 草原・土:約10%以下
- アスファルト:約10%
- 水面:約10〜20%
- 砂浜:約25%
- 雪:約80%
雪の反射率は突出して高く、空から降り注ぐ紫外線と、雪面から照り返す紫外線をダブルで浴びることになるため、目に吸収される紫外線量が爆発的に増加します。これが、冬の雪山で「雪目」が非常に起こりやすい理由です。
要注意!夏にも潜む「雪目」のリスク
この反射率のデータを見れば、夏も決して油断できないことが分かります。
- ビーチ・海辺・プール: 砂浜の反射率は25%と、アスファルトの2倍以上です。水面からの照り返しも加わり、非常に強い紫外線環境になります。
- 登山・ハイキング: 標高が1000m高くなるごとに、紫外線量は約10%増加すると言われています。高山では空気が澄んでいるため、地上よりも強い紫外線が直接目に届きます。
- 屋外スポーツ: ゴルフ場やテニスコートなども、長時間日差しを浴び続けるため注意が必要です。
このように、強い日差しと照り返しがある場所であれば、季節を問わず「雪目」になるリスクは常に存在しているのです。
もしなってしまったら?そして、どう防ぐ?
基本的な対処法と予防策は、こちらの記事「その目の充血、日焼けかも?眼科医が教える目の日焼けの危険性と対策方法」でご紹介した「目の日焼け」と同じです。 もし症状が出てしまったら、絶対に目をこすらず、濡れタオルで冷やしながら、部屋を暗くして目を休ませてください。そして、できるだけ早く眼科を受診することが重要です。
予防には、**「UVカット機能付きのサングラスやゴーグル」と「つばの広い帽子」**の併用が最も効果的です。特に、夏のレジャーやスポーツを楽しむ際には、ファッションとしてだけでなく、目を守るための必須アイテムとして、紫外線対策を徹底しましょう。
まとめ:季節を問わず、紫外線への意識を
「雪目」という言葉のイメージに惑わされず、その本質が「紫外線による角膜のダメージ」であることを理解することが大切です。冬の雪山はもちろん、夏のビーチや山、日々の生活の中でも、私たちの目は常に紫外線の脅威にさらされています。 肌に日焼け止めを塗るように、目にもUVケアをする習慣をつけ、季節を問わず大切な目を守ってあげましょう。
最後に. オンライン診療という選択肢も
目の症状があるとき、「病院に行く時間がない」「すぐには予約が取れない」と感じる方も多いでしょう。そんなときは、スマホやパソコンから気軽に相談できるオンライン眼科診療を活用するのも一つの方法です。 眼科オンライン診療を行う「てのひら眼科」では、症状の写真と事前問診をもとに、眼科医が目の状態を確認し、必要に応じて処方や対処法を提案してくれます。自宅からスマホ一つで眼科医の診察を受けられるため、安心です。
最後に. オンライン診療という選択肢も
目の症状があるとき、「病院に行く時間がない」「すぐには予約が取れない」と感じる方も多いでしょう。そんなときは、スマホやパソコンから気軽に相談できるオンライン眼科診療を活用するのも一つの方法です。
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