てのひら眼科　Magazine

高価なアイクリームを毎日丁寧に塗っているのに、目元の乾燥小ジワや、何をしても消えない「クマ」に悩んでいませんか？ その悩み、もしかしたら肌の表面ではなく、**「目そのものの健康状態」**が原因かもしれません。

実は、ドライアイや眼精疲労といった目の不調は、巡り巡って目元の美しさに深刻な影響を与えます。

この記事では、眼科医の視点から、多くの女性が悩む「シワ」や「クマ」と、目の健康との意外な繋がりを解き明かし、根本から目元を輝かせるための新習慣を提案します。

なぜ？「目の不調」が「見た目の悩み」になるメカニズム

目元の皮膚は非常に薄くデリケート。そのため、目のコンディションがダイレクトに現れやすい場所です。

「乾燥ジワ」の犯人は、無意識の“こすり癖”

目が乾くと、表面がゴロゴロしたり、かゆみを感じたりしますよね。すると、私たちは無意識のうちに手で目をこすったりしてしまいます。この物理的な摩擦が、ちりめんジワや乾燥小ジワの大きな原因となるのです。

「青クマ」の正体は、目の疲れによる“血行不良”

PCやスマホを長時間見続けると、目の使いすぎによる眼精疲労のため、目元の血行が悪くなります。目元の皮膚は薄いため、その下にある血管が透けて見えやすくなります。この血行不良によるうっ血が、「青クマ」の正体とも言われています。

「茶クマ」は、かゆみによる“色素沈着”

花粉やハウスダストなどでアレルギー症状がある場合、目のかゆみから強くこすってしまいます。この刺激が皮膚の炎症を引き起こし、メラニンが過剰に生成されることで、シミやくすみに似た**「茶クマ（色素沈着）」**となって現れます。

要注意！美しさを遠ざける「NGアイメイク習慣」

良かれと思ってやっている毎日のメイクやクレンジングが、実は目の健康を損ない、美容の悩みを深刻化させている可能性があります。

• 粘膜まで引く「インサイドライン」 目の縁の粘膜部分には、涙の油分を分泌する大切な**「マイボーム腺」**の出口が並んでいます。この部分をアイライナーで塞いでしまうと、油分の分泌が妨げられ、涙が蒸発しやすい「ドライアイ」の原因に。目の乾燥を自ら招いているようなものなのです。
• ゴシゴシこする「アイメイク落とし」 ウォータープルーフのマスカラやアイライナーを落とすために、目元を強くこするのは絶対にNG。シワや色素沈着の原因になるだけでなく、マイボーム腺を傷つけたり、雑菌が目に入ったりするリスクもあります。専用のリムーバーで優しく、が基本です。

眼科医が教える「目元美人」を育てる新習慣

高価な美容液を追加する前に、まず試してほしいのが、目の健康を取り戻すためのシンプルなケアです。

1. 基本にして最強のケア「温める」 蒸しタオルや市販のホットアイマスクで1日5〜10分、目元をじんわりと温めましょう。 これは、美容と健康の両方に驚くほどの効果があります。
   • 血行を促進し、「青クマ」を改善
   • マイボーム腺の油の詰まりを溶かし、涙の質を高めて「ドライアイ」を改善 まさに一石二鳥の最強セルフケアです。
2. 目的別！「目薬」の賢い選び方 ただ潤すだけでなく、目的に合わせて選びましょう。
   • 乾燥が気になるなら… 処方点眼薬で、こまめに潤いを補給。
   • かゆくてこすってしまうなら… 自己判断せず、アレルギー用の処方薬を。こする行為そのものを断ち切ることが、茶クマ予防の第一歩です。

まとめ：本当の目元ケアは、眼科から始まるかもしれない

目元の美しさは、肌表面のケアだけでは完成しません。その土台となる「目の健康」を見直すことで、長年の悩みが解決に向かうことがあります。

アイクリームを塗るその指で、今日はぜひ、ご自身の目を優しく温めてみてください。その心地よさが、本当の美しさへの近道かもしれません。

最後に. オンライン診療という選択肢も 

目の症状があるとき、「病院に行く時間がない」「すぐには予約が取れない」と感じる方も多いでしょう。そんなときは、スマホやパソコンから気軽に相談できるオンライン眼科診療を活用するのも一つの方法です。

眼科オンライン診療を行う「てのひら眼科」では、症状の写真と事前問診をもとに、眼科医が目の状態を確認し、必要に応じて処方や対処法を提案してくれます。自宅からスマホ一つで眼科医の診察を受けられるため、安心です。