2025年8月25日
夏のプール、目に潜む危険と予防策|自宅で受けられる眼科診察|てのひら眼科
抜けるような青空の下、きらめく水面がまぶしい夏のプール。家族や友人と過ごす時間は、最高の思い出になりますよね。 しかし、その楽しいプールには、実は私たちの目に影響を与えるいくつかの危険が潜んでいます。「プールに行ったら目が赤くなった」という経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。 それは、あなたの目が発しているSOSサインかもしれません。 この記事では、夏のプールで起こりうる代表的な3つの目のトラブルと、大切な目を守るための正しい予防策について、専門的な観点から分かりやすく解説します。

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※この音声は Google NotebookLM(AI生成ツール)により作成しました。(2025年8月25日生成)
【危険1】プールの水による「塩素ダメージ」
プールに入った後、目が充血したり、しょぼしょぼしたりする主な原因は、消毒のために使われている「塩素」です。
私たちの目の表面は、「涙」によって潤され、外部の刺激から守られています。この涙の層には、油層、水層、ムチン層という精密なバリア機能があります。しかし、プールの水に含まれる塩素は、この大切なバリア、特に油層やムチン層を洗い流し、角膜(黒目の部分)をむき出しに近い状態にしてしまうのです。 バリア機能が低下した角膜は、非常にデリケートな状態。そこに塩素の刺激が直接加わることで、角膜に小さな傷がつき、炎症が起きて充血や痛みといった症状を引き起こします。
これが「プール後、目が赤くなる」メカニズムです。
【危険2】見えない敵、「感染症」のリスク
プールの水は塩素で消毒されていますが、完全に無菌というわけではありません。特に、他の利用者から持ち込まれるウイルスによって引き起こされる目の感染症には注意が必要です。 夏に流行しやすい代表的なものに「はやり目(流行性角結膜炎)」や「プール熱(咽頭結膜熱)」があります。これらはどちらもアデノウイルスが原因で、非常に感染力が強いのが特徴です。
プールの水を介して直接感染することもありますが、多くの場合はウイルスが付着した手で目をこすったり、感染者が使ったタオルを共有したりすることで感染が広がります。
ひどい充血やめやに、痛みなどの症状が出た場合は、すぐに眼科を受診する必要があります。気になった方はまず、充血に関する記事も併せてお読みください。
⇨【コラム】目が真っ赤に!気になる充血について徹底解説
【危険3】水面からの照り返しによる「紫外線ダメージ」
夏の強い日差し、つまり紫外線が目に良くないことは広く知られていますが、プールサイドや水辺ではその危険性がさらに高まります。
水面は紫外線を約20%も反射すると言われており、私たちは空から降り注ぐ紫外線と、水面から照り返す紫外線の両方を浴びていることになるのです。 強い紫外線を短時間で浴びると、スキー場で起こる「雪目(ゆきめ)」と同じように、角膜が日焼けを起こして炎症(電気性眼炎)を起こし、激しい痛みや充血、涙が止まらないといった症状が出ることがあります。 さらに、長期的に紫外線を浴び続けることは、将来的な白内障や翼状片(よくじょうへん)といった目の病気のリスクを高めることも分かっています。
目を守るための3つの正しい予防策
では、どうすればこれらの危険から目を守れるのでしょうか。3つの基本的なルールを徹底しましょう。
①【守る】ゴーグルを必ず着用する
最もシンプルで効果的な予防策が、ゴーグルの着用です。ゴーグルは、塩素や細菌を含んだ水が直接目に触れるのを防いでくれます。さらに、UVカット機能のあるゴーグルを選べば、紫外線ダメージも大幅に軽減できます。顔にしっかりフィットするものを選び、プールに入っている間は常に着用する習慣をつけましょう。
②【ケアする】プール後の洗眼は「水道水」でしない
プールから上がった後、目を洗いたくなる気持ちは分かりますが、水道水で直接目を洗うのはできるだけ避けましょう。水道水にも微量の塩素が含まれている上、涙と浸透圧が違うため、かえって角膜を傷つけたり、目を守る涙の成分まで洗い流してしまったりする可能性があります。 もし洗いたい場合は、防腐剤の入っていない人工涙液や洗眼ツールを使い、目に入った汚れや塩素を優しく洗い流すようにしましょう。
③【注意する】コンタクトレンズは必ず外す
コンタクトレンズをつけたままプールに入るのは絶対にやめましょう。レンズが塩素で変質したり、水中で外れて紛失したりするだけでなく、レンズと目の間に細菌やアメーバなどの微生物が入り込み、重い感染症を引き起こす危険性があります。視力が悪い方は、度の合ったゴーグルを使用してください。
▼ 特にコンタクトレンズをお使いの方へ
コンタクトレンズをつけたままプールに入るのは、感染症のリスク(アカントアメーバ角膜炎など)があり絶対にやめましょう。それに加え、【危険1】で解説した「塩素」は、目の表面の涙を洗い流し、目を強制的なドライアイ状態にします。
普段からコンタクトで目が乾きやすいと感じている方が塩素の刺激を受けると、角膜が傷つくリスクがさらに高まります。「なぜコンタクトはドライアイを招きやすいのか?」その根本的な理由と普段からの対策を、以下のコラムで詳しく解説しています。
→【コラム】ドライアイとコンタクトレンズの意外な関係
まとめ:正しい知識で、安全に夏を楽しもう
楽しいはずの夏のレジャーで、目のトラブルを起こしてしまっては台無しです。塩素、感染症、紫外線といったプールの危険性を正しく理解し、「ゴーグルで守る」「プール後は人工涙液でケアする」といったシンプルな対策を実践するだけで、目の健康は大きく守られます。 この夏が、あなたにとって最高の思い出になるように、ぜひご自身の、そしてご家族の目を大切にしてあげてください。
最後に. オンライン診療という選択肢も
目の症状があるとき、「病院に行く時間がない」「すぐには予約が取れない」と感じる方も多いでしょう。そんなときは、スマホやパソコンから気軽に相談できるオンライン眼科診療を活用するのも一つの方法です。 眼科オンライン診療を行う「てのひら眼科」では、症状の写真と事前問診をもとに、眼科医が目の状態を確認し、必要に応じて処方や対処法を提案してくれます。自宅からスマホ一つで眼科医の診察を受けられるため、安心です。
最後に. オンライン診療という選択肢も
目の症状があるとき、「病院に行く時間がない」「すぐには予約が取れない」と感じる方も多いでしょう。そんなときは、スマホやパソコンから気軽に相談できるオンライン眼科診療を活用するのも一つの方法です。
眼科オンライン診療を行う「てのひら眼科」では、症状の写真と事前問診をもとに、眼科医が目の状態を確認し、必要に応じて処方や対処法を提案してくれます。自宅からスマホ一つで眼科医の診察を受けられるため、安心です。