目やにに使う目薬は?市販薬の選び方と処方薬との違い、受診目安を解説

「目やにが増えてきたけれど、どの目薬を買えばよいのだろう」と迷う方は少なくありません。目やには、細菌による感染やアレルギー、目の乾燥など、さまざまな原因で増えます。そのため、必要な目薬は原因によって異なります。

市販の目薬にある「目やにの多いとき」などの効能表示も、あらゆる目やにを治すという意味ではありません。購入前に、表示と使用上の注意を確認することが大切です。

強い目の痛みや急激な視力低下がある場合は、自己判断で様子を見続けず、速やかに眼科を受診してください。

この記事でわかること

  • 目やにが出るときの目薬の選び方
  • 市販薬と眼科の処方薬の違い
  • 目薬の使い方と、眼科を受診する目安

目やにが出るときの目薬は、原因に応じて選ぶ

目やにが出るときに使う目薬は、目やにの原因によって変わります。また、目やにがあるからといって、必ずしも目薬が必要とは限りません。まずは、目やにの量や出るタイミング、ほかの症状を確認しましょう。

目薬が必要とは限らない目やにもある

目やには、医学的には眼脂(がんし)と呼ばれます。涙や目の表面の古い細胞、ほこりなどが混ざってできるもので、健康な目でも出ます。とくに、眠っている間はまばたきをしないため、起床時に目頭などに少量たまるのはよくあることです。

一方で、日中も目やにが増え続ける、普段より明らかに量が多い、充血やかゆみ、痛みを伴う場合は、目に何らかの炎症が起きている可能性があります。朝の目やにが気になるときは、次の点を普段と比べてみてください。

  • 量が増えているか、日中にも出るか
  • いつから続いているか、悪化しているか
  • 充血、かゆみ、痛み、まぶしさ、見えにくさなどがあるか

目やにの原因や、目薬以外の対処も含めて知りたい方は、目やにが増える原因と対処法もあわせてご覧ください。

色やネバネバだけで原因や目薬は決められない

目やにが出る原因には、細菌やウイルスによる結膜炎、アレルギー性結膜炎、目の乾燥などがあり、それぞれ治療に使う薬が異なります。結膜(けつまく)とは、白目の表面とまぶたの裏側を覆う薄い膜のことです。

「黄色くネバネバしていれば細菌」「白い糸状ならアレルギー」といった説明を見かけることがあります。しかし、実際には同じ原因でも目やにの色や粘り気はさまざまで、異なる原因の間で見た目が重なることも少なくありません。

そのため、目やにの色や粘り気だけで病気を判断したり、使う目薬を決めたりすることはできません。目やにの見た目に加えて、ほかの症状や経過をあわせて考えることが大切です。

市販の目薬を選ぶ前に確認したいこと

市販の目薬を選ぶときは、効能だけでなく、自分が使える条件に合っているかを先に確認しましょう。購入前に確認したいのは、次の点です。

  • 今の症状が、市販薬の「効能・効果」に当てはまるか
  • 使用できる年齢に当てはまるか
  • 治療中の目の病気や持病、使用中の薬がないか
  • コンタクトレンズを着けたまま使える目薬か
  • 強い痛みや見え方の変化など、受診を優先したい症状がないか

「目のかすみ(目やにの多いときなど)」という効能表示を読む

市販の目薬の箱や説明書には、「効能・効果」が記載されています。効能・効果とは、その薬が承認を受けた使用目的のことです。目やにに関係する表示としては、「目のかすみ(目やにの多いときなど)」がよく見られます。

この表示は、目やにが多いときなどに感じる目のかすみを和らげることを目的としたものです。細菌感染やアレルギーなど、目やにを生じさせている原因そのものを治療することを意味するわけではありません。

目薬を選ぶときは、宣伝表現やパッケージの印象だけで判断せず、効能・効果と使用上の注意を確認しましょう。とくに、「目やにに効く」とひとまとめに考えず、自分の症状がどの効能に当てはまるのかを見ることが大切です。

年齢・持病・使用中の薬・コンタクトの条件を確認する

市販の目薬は、市販薬によって使える年齢や、使用前に相談が必要な人が異なります。こうした条件は、添付文書(てんぷぶんしょ)に記載されています。添付文書とは、薬の使い方や注意点をまとめた説明書のことです。

子どもに使う場合

「小児用」「子ども向け」とされていても、すべての年齢に使えるとは限りません。使用できる年齢は市販薬ごとに確認してください。大人用の目薬や、家族が以前に処方された目薬を子どもに使うのは避けましょう。乳幼児の目やにが気になる場合は、市販薬を選ぶ前に医師に相談してください。

高齢の方や持病がある場合

年齢を重ねると目の病気が増えるため、目やにを「年のせい」と決めつけないことが大切です。緑内障などで治療中の方、ほかの目薬を使っている方、全身の病気で治療中の方は、市販薬を使う前に医師や薬剤師に相談しましょう。妊娠中・授乳中の方も同様です。

コンタクトレンズを使っている場合

目薬には、コンタクトレンズを着けたまま使えるものと、外してから使う必要があるものがあります。レンズの種類によっても条件が異なります。「防腐剤無添加」と書かれていても、装用中に使えるとは限らないため、必ず表示を確認してください。目やにや充血などの症状があるときは、レンズの使用を控えることも大切です。

迷うときは症状と経過を薬剤師等に伝える

目薬選びに迷ったら、ドラッグストアや薬局で相談しましょう。医薬品の区分によって、相談できるのは薬剤師または登録販売者です。相談するときは、次のような情報を伝えると、より適切な助言を受けやすくなります。

  • いつから目やにが出ているか
  • 片目か、両目か
  • 目やにの量や、日中にも出るか
  • 痛み、充血、かゆみ、見えにくさがあるか
  • 使っている目薬や薬、治療中の病気
  • コンタクトレンズの使用状況

ただし、症状を伝えれば安全に薬を決められるわけではありません。強い痛みや急な見え方の変化がある場合は、購入相談よりも眼科の受診を優先してください。

市販の目薬の種類と役割

目やにに関係する市販の目薬には、細菌の増殖を抑えるもの、アレルギー症状を抑えるもの、涙を補うものなど、役割の異なる種類があります。複数の成分を含む目薬でも、すべての原因に対応できるわけではありません。主な種類と役割は次のとおりです(表の並びは種類の区分であり、優劣を示すものではありません)。

区分主な役割主な成分・確認事項限界・注意
抗菌成分を含む目薬細菌の増殖を抑えるスルファメトキサゾールなどの抗菌成分。効能・効果や使用上の注意を確認ウイルスそのものには作用しない。目やにがあれば適しているとは限らない
アレルギー症状に使う目薬かゆみなどのアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン成分などの配合と、効能・効果を表示で確認目やにの色や形だけでアレルギーとは判断できない
人工涙液涙を補い、目の乾燥を和らげる用途とコンタクト装用中の使用可否を確認感染による目やにを治すものではない
目のかすみなどを対象とする目薬「目のかすみ(目やにの多いときなど)」などの症状を和らげる配合成分や効能・効果、使用条件を確認原因となる感染やアレルギーなどを治療するものとは限らない

抗菌成分を含む目薬

抗菌成分を含む目薬は、細菌の増殖を抑えることを目的とした薬です。市販薬では、スルファメトキサゾールなどのサルファ剤を配合したものがあります。スルファメトキサゾールは、細菌の増殖を抑える抗菌成分です。

抗菌成分が働く対象は細菌です。ウイルスによる結膜炎や、アレルギー、乾燥による目やにには、抗菌成分そのものの効果は期待できません。また、市販の抗菌目薬と、眼科で処方される抗菌薬は、成分も使い方の判断も同じではありません。

市販薬の添付文書には、使用期間の目安や、改善しない場合に相談する時期が記載されています。表示された期間を過ぎても改善しない場合や、途中で悪化した場合は、使い続けずに医師に相談してください。

アレルギー症状に使う目薬

アレルギー症状に使う目薬は、花粉やハウスダストなどによる目のかゆみや充血を抑えることを目的としています。代表的な成分が抗ヒスタミン成分で、アレルギー反応に関わるヒスタミンという物質の働きを抑えます。

アレルギーによって目やにが出ることはありますが、目やにがあるだけで、この種類の目薬が適しているとはいえません。また、かゆみがあるからといって、原因が必ずアレルギーとは限りません。症状が季節や環境によって繰り返す場合などは、眼科で原因を確認することも検討しましょう。アレルギーの原因や対策については、アレルギー性結膜炎の症状や対策で詳しく解説しています。

乾燥や目のかすみに使う目薬

人工涙液(じんこうるいえき)は、涙を補うための目薬です。目の乾燥による不快感を和らげる目的で使われます。これとは別に、「目のかすみ(目やにの多いときなど)」などの効能をもつ一般用目薬もあり、配合成分や目的は目薬によって異なります。

目の乾燥を和らげることは、すべての目やにの治療になるわけではありません。白っぽい目やにが出る場合でも、原因が乾燥とは限らないため注意が必要です。

また、急に見えにくくなった、視界がかすんで戻らないといった変化を、疲れ目や乾燥と決めつけないでください。急な見え方の変化がある場合は、目薬で様子を見るのではなく、眼科を受診しましょう。

眼科で使う処方薬と市販薬の違い

市販薬と処方薬の大きな違いは、診察で原因を確認したうえで薬を選ぶかどうかです。処方薬は「市販薬より強い薬」という単純な関係ではなく、目の状態と原因に合わせて医師が必要な薬を判断します。

診察で原因を確認し、必要な薬を判断する

眼科では、症状がいつから始まったか、片目か両目か、周囲に同じ症状の人がいるかなどを問診で確認します。そのうえで、顕微鏡を使って結膜や角膜の状態を調べます。角膜(かくまく)とは、黒目の表面を覆う透明な組織です。

原因によって、使う薬の種類は異なります。

  • 細菌が原因と考えられる場合:抗菌薬の目薬
  • アレルギーが原因と考えられる場合:抗アレルギー薬の目薬など
  • 乾燥が関係している場合:涙を補う目薬や、目の表面を保護する目薬など

ウイルスによる結膜炎では、一般的な抗菌薬はウイルスそのものには効きません。ただし、二次感染が心配される場合などに、医師の判断で抗菌薬が使われることがあります。二次感染とは、もとの病気に別の細菌などの感染が加わることです。ウイルス性の結膜炎にも、医師が状態を見て判断する治療があります。

ステロイドなどの処方薬を自己判断で使わない

眼科では、炎症を抑えるステロイドの目薬などが処方されることがあります。ステロイドは炎症を抑える作用がある一方、使い方によっては感染症を悪化させたり、眼圧(眼の中の圧力)を上げたりすることがあります。そのため、医師が目の状態を確認しながら使う必要があります。

以前に処方された目薬が残っていても、新しい症状に自己判断で使うのは避けましょう。同じように見える目やにでも、原因が以前と同じとは限りません。家族の処方薬を借りて使うことも控えてください。

「市販薬が効かないから、より強い薬を手に入れればよい」と考えるのではなく、改善しない理由を眼科で確認することが大切です。

目薬の使い方と、目やにが増えたときの注意

目薬は、市販薬の添付文書や医師の指示どおりに使うことが基本です。使ってから症状が悪化した場合や、合わないと感じた場合は、そのまま使い続けないようにしましょう。

用法・用量を守り、容器の先を目に触れさせない

点眼(てんがん)とは、目に薬液をさすことです。目薬を衛生的に使うために、次の手順を守りましょう。

  1. 点眼前に、石けんで手を洗う
  2. 容器の先が、目やまつ毛、まぶたに触れないように点眼する
  3. 1回の滴数、1日の回数は、添付文書や医師の指示に従う
  4. 複数の目薬を使う場合は、指示された間隔をあけて点眼する
  5. 目薬は自分専用にし、家族などと共用しない
  6. 保管方法と、開封後に使える期間を守る

1回の滴数や1日の回数、使用期間は、すべての目薬で同じではありません。「目やにが多いから多めにさす」といった自己判断は避けましょう。

目やにはやさしく拭き、症状があるときはコンタクトを控える

目やにを取るときは、清潔なガーゼやコットンを水やぬるま湯で湿らせ、まぶたの周りをそっと拭き取ります。こすったり、眼球を直接拭いたりしないでください。乾いて固まった目やには、湿らせたガーゼをしばらく当ててやわらかくしてから拭くと取りやすくなります。

拭き取りに使ったガーゼやコットンは、左右の目で使い回さず、使うたびに捨てましょう。目やにや涙を介して感染が広がる病気もあるため、拭いた後は手を洗い、タオルの共用も避けてください。

目やにや充血などの症状があるときは、コンタクトレンズの使用を控えましょう。いつから再開してよいかは原因や目の状態によって異なるため、眼科で治療を受けている場合は医師の指示に従ってください。

点眼後に目やにが増える・悪化する場合は使い続けない

目薬をさした後に目やにが増えた、充血やかゆみ、痛みが強くなったという場合は、いくつかの可能性が考えられます。

  • 目薬の成分による刺激や、薬剤アレルギー(薬への過敏反応)
  • もとの病気が進んでいる、または目薬が原因に合っていない

目薬をさした後の症状の悪化を、「薬が効いている証拠」「悪いものが出ている」などと判断するのは避けましょう。市販薬を使って新たに悪化した場合は、使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

眼科で処方された目薬を使っていて悪化した場合は、自己判断で中止したり別の薬に替えたりせず、処方を受けた医療機関に連絡しましょう。強い痛みや急な見え方の変化がある場合は、速やかに眼科を対面で受診してください。

市販薬で対処を続けず、眼科を受診したい症状

目やにがあるすべての人が、すぐに受診しなければならないわけではありません。ただし、痛みや見え方の変化、症状の経過によっては、市販薬で様子を見るよりも眼科での診察が必要です。受診の目安は、大きく次の2つに分けられます。

強い痛みや急な見え方の変化がある場合

目やにに加えて次のような症状がある場合は、角膜の病気なども考えられます。目薬を買い替えて様子を見るのではなく、速やかに眼科を対面で受診してください。

  • 強い目の痛みがある
  • 急に見えにくくなった、視力が落ちた
  • 光を強くまぶしく感じる、まぶしくて目を開けていられない
  • コンタクトレンズを使っていて、目の痛みがある

目やにが多い・続く・繰り返す場合

強い痛みや見え方の変化がなくても、次のような場合は早めに眼科を受診しましょう。

  • 日中も目やにが多く、拭いてもすぐにたまる
  • 目やにで、まぶたがくっついて開けにくい
  • まぶたや目の周りが強く腫れている
  • 市販薬を使っても改善しない、または悪化している
  • 目やにが治まっても、何度も繰り返す
  • 乳幼児の目やにが続いている

市販薬の添付文書には、一定期間使っても改善しない場合に相談するよう記載されていることがあります。ただし、その期間までは様子を見てよいという意味ではありません。期間の途中でも悪化した場合は、使用をやめて受診してください。

なお、片目だけに目やにが出ている、目やにが黄色いといった特徴だけで、必ず急いで受診が必要とは限りません。ほかの症状や経過とあわせて判断しましょう。

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目やにと目薬についてのよくある質問

ネバネバした目やにには抗菌目薬を使えばよいですか?

粘り気があるだけで、細菌感染とは判断できません。ネバネバした目やにや白い糸状の目やには、アレルギーや乾燥など、細菌以外の原因でも見られます。抗菌目薬が合うとは限らないため、ほかの症状や経過を確認し、迷うときは薬剤師や眼科に相談しましょう。

朝だけ少量の目やにが出る場合も目薬は必要ですか?

起床時に少量の目やにが出るのは、健康な目でも見られることです。普段と変わらない量で、ほかに症状がなければ、目薬が必要ない場合もあります。ただし、量が増えた、日中も出る、充血や痛み、かゆみがあるといった場合は、原因を確認しましょう。

目やにの目薬は何日くらい使えばよいですか?

使用期間は目薬によって異なります。市販薬は添付文書に記載された期間の目安に、処方薬は医師の指示に従ってください。途中で悪化した場合は、期間を待たずに相談しましょう。処方薬は、症状が軽くなっても自己判断で早めにやめず、指示された期間を守ることが大切です。

子どもに大人と同じ目薬を使ってもよいですか?

使用できる年齢は市販薬によって異なるため、表示を必ず確認してください。大人用の目薬の量を減らせば子どもにも安全に使える、というものではありません。家族の処方薬を使うのも避けましょう。乳幼児の目やにが気になる場合は、市販薬を使う前に医師に相談してください。

目薬をさすと目やにが増えるのは、薬が効いているからですか?

目やにが増えたことを、薬が効いている証拠と考えるのは避けましょう。目薬の成分による刺激や過敏反応、目薬が原因に合っていないことなどが考えられます。点眼後に目やにや充血、痛みが悪化した場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

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