目の乾き、ゴロゴロ感、かすみ。こうした不快感の背景にあるドライアイは、涙の量が減ることだけで起こるものではありません。目の表面を覆う涙が安定せず、うまく広がらなかったり、蒸発しやすくなったりすることも...
ドライアイの症状は?目の乾き・かすみ・涙目と受診の目安
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ドライアイでは、目の乾きだけでなく、ゴロゴロした異物感、かすみ、涙目などがみられることがあります。ただし、これらの症状だけでドライアイと判断することはできません。目の乾きを感じにくくても、ドライアイが否定されるわけでもありません。
この記事では、ドライアイでみられやすい症状の特徴、片目・寝起き・コンタクトレンズ装用中の注意点、症状の整理のしかた、眼科を受診する目安を解説します。
【先に確認してください】
急に見えにくくなった、強い目の痛みがある、頭痛や吐き気を伴う目の症状がある場合は、ドライアイと自己判断せず、速やかに眼科を受診してください。受診先に迷うときは、救急の相談窓口や医療機関へ連絡してください。
ドライアイでみられる主な症状
ドライアイの症状は、「乾く」だけではありません。ゴロゴロする、疲れやすい、かすむ、まぶしい、涙が出る、充血するなど、人によって感じ方はさまざまです。一方で、これらはほかの目の病気でもみられる症状です。症状の数や組み合わせだけで、病名や重症度を決めることはできません。

目の乾き・ゴロゴロ感・疲れやすさ
代表的な症状は、目が乾く感じ、異物感(いぶつかん:ゴミが入ったような感覚)、目の疲れやすさです。ほかにも、重たい感じ、しょぼしょぼする感じ、目を開けているのがつらい感じなどが挙げられます。
ドライアイでは、必ずしも目の乾きを強く感じるとは限りません。乾いた感じよりも、異物感や疲れが目立つ人もいます。乾燥感が弱いからといって、ドライアイではないとは言い切れません。
こうした症状はドライアイ以外でもみられるため、症状だけで診断せず、続くようであれば眼科で相談することが大切です。
かすむ・見え方が安定しない・まぶしい
目の表面を覆う涙の膜が不安定になると、見え方が揺らいだり、かすんで見えたりすることがあります。瞬きをすると一時的にはっきり見えることもありますが、それだけでドライアイと判断できるわけではありません。
光をまぶしく感じる羞明(しゅうめい)がみられる人もいます。
ただし、急に見えにくくなった場合や、見えにくさが続いて改善しない場合は、ドライアイ以外の原因も考える必要があります。その場合は、後述する「眼科を受診する目安と急いで確認したい症状」を優先してください。
涙が出る・充血する・目やにが気になる
「涙が出るのだから、ドライアイではない」とは限りません。ドライアイでも、目の表面への刺激に反応して涙が出ること(流涙〈りゅうるい〉:涙が出る・こぼれること)があります。充血や目やにがみられる場合もあります。
一方で、涙が出る原因はほかにもあります。感染症やアレルギー、涙の通り道(涙道)の問題でも、涙目や目やにはみられます。涙の量や、目やにの色・粘りだけで、原因を決めることはできません。
片目・寝起き・コンタクト装用中の症状で注意すること
片目だけ、朝だけ、コンタクトレンズをつけているときだけ、といった場面では、「ドライアイだろう」と決めてしまいやすいものです。しかし、こうした条件を、安心の根拠にも、ドライアイの証拠にもしないことが大切です。
片目だけの違和感もドライアイとは限らない
左右差(片目のほうが強く感じる状態)があっても、症状だけでドライアイかどうかは判断できません。また、片目だけだから軽い、心配ない、とも言えません。
片目だけの違和感や痛みの背景には、ドライアイ以外の原因が含まれていることもあります。急な見え方の変化や痛みを伴う場合は、後述の受診の目安を優先してください。
寝起きの乾きや痛みは経過も伝える
起きたときの目の乾きや違和感は、ドライアイ以外でも起こることがあります。「朝だけ」なのか「日中も続く」のか、「突然始まった」のか「繰り返している」のかによって、受診時に役立つ情報が変わります。
こうした経過は、メモをしておくと眼科で伝えやすくなります(記録のしかたは次の章で紹介します)。
特に、寝起きに強い痛みがある場合は、単なる乾燥と決めつけず、角膜(かくまく:黒目の表面を覆う透明な膜)に問題がないかを含めて、眼科で確認してもらいましょう。
コンタクト中の乾き・痛み・充血は装用を見直す
コンタクトレンズの装用(そうよう:レンズをつけること)中に、乾いた感じが出ることがあります。違和感を我慢して使い続けるのはおすすめできません。
痛みや充血がある場合は、いったんレンズを外し、使用を中止してください。感染症や角膜の傷などが隠れていることもあるため、眼科で確認が必要です。
なお、レンズを替えれば治る、と単純に考えることはできません。装用を続けるかどうかを含め、眼科で相談しましょう。
セルフチェックは症状を整理するために使う
インターネットや資料にはさまざまなセルフチェックがありますが、その結果でドライアイかどうかが決まるわけではありません。セルフチェックは、診断をするためではなく、自分の症状を整理して、眼科で相談しやすくするために使うものです。
症状・続く期間・起こる場面を記録する
受診前には、次のような項目をメモしておくと便利です。症状の名前を並べるだけでなく、「いつ」「どこで」「どちらの目に」「どれくらい」を残すのがポイントです。下の表の最初の2行は、記入のしかたを示す例です。
| 症状 | 左右 | 開始時期・頻度 | 起こる場面 | 生活への影響 | 使用している点眼薬・コンタクト |
|---|---|---|---|---|---|
| (例)目がゴロゴロする | 両目(右のほうがやや強い) | 2か月ほど前から。ほぼ毎日 | 午後のパソコン作業中。夕方に強くなる | 資料が読みづらく、作業を途中で休むことがある | 市販の人工涙液を1日数回。コンタクトは使用していない |
| (例)朝起きたときに目が乾いて開けにくい | 左目 | 3週間前から。週に3〜4回 | 起床直後。日中は落ち着くことが多い | 朝の支度に時間がかかる | 点眼薬は使用なし。ワンデータイプのコンタクトを日中のみ装用 |
記入するときは、次の点を意識すると、受診時に医師へ伝えやすくなります。
- 症状は、感じたままの言葉で書いて構いません(「しょぼしょぼする」「かすむ」など)。
- 「朝だけ」「日中も続く」「突然始まった」「繰り返している」など、経過が分かる言葉を添えます。
- 使っている点眼薬やコンタクトレンズは、名称や種類も控えておくと役立ちます。
点数をつけたり、「軽い・重い」を判定したりする欄は設けていません。自覚症状(じかくしょうじょう:本人が感じる不調)をありのままに記録することが目的です。記入例は書き方の見本であり、特定の症状の組み合わせがドライアイを示すものではありません。
症状の数や目を開けられる秒数では診断できない
「症状が何個当てはまるか」や「目を何秒開けていられるか」で、ドライアイかどうかや重症度を決めることはできません。
家庭で目を開けていられる時間を測っても、医療機関で行うBUT(ビーユーティー:涙の膜が崩れ始めるまでの時間を調べる検査)とは別のものです。BUTは、専用の機器と手順で、涙の膜の状態を観察して行います。
また、痛みを我慢して目を開け続けるテストはおすすめしません。目の負担になることがあります。
眼科を受診する目安と急いで確認したい症状
受診の目安は、「相談したほうがよい場合」と「速やかに対面で受診すべき場合」の2つに分けて考えると分かりやすくなります。
症状が続く・繰り返す・生活に支障がある場合
次のような場合は、眼科で相談する目安になります。
- 目の不快感が続いている、または繰り返している
- 読書や画面作業、運転などに支障がある
- 市販の目薬を使っても改善しない
何日待てば受診すべきかは、人によって異なります。つらさの強さだけで、医学的な重症度が決まるわけでもありません。
目の表面に、傷などの変化(角結膜上皮障害〈かくけつまくじょうひしょうがい〉)が起きている場合もあります。そうした状態は、見た目やご自身の感覚だけでは判断できません。気になる症状が続くときは、眼科で相談してください。
急な見えにくさ・強い痛みは速やかに対面受診する
次の症状がある場合は、ドライアイと自己判断せず、速やかに眼科で対面の診察を受けてください。
- 急に見えにくくなった、見え方が突然変わった
- 強い眼痛(がんつう:目の痛み)がある
- 頭痛や吐き気を伴う目の症状がある
必要に応じて、救急の受診先へ連絡してください。こうした症状は、ドライアイとは別の目の病気が関係している可能性もあります。
「該当しないから受診しなくてよい」という意味ではありません。この区分は、症状だけで原因を判断するためのものでもありません。気になる変化があれば、眼科に相談してください。
目の症状でお悩みの方へ
目の症状について、
オンラインで眼科医の診察を受けられます
症状が続く場合や、受診したほうがよいか迷う場合は、
オンライン診療をご検討ください。
※症状や診察結果により、対面受診をご案内する場合があります。
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ドライアイの症状が起こる仕組みと悪化要因
涙の量だけでなく目の表面を覆う安定性も関係する
目の表面は、涙液膜(るいえきまく:目の表面を覆う薄い涙の膜)で覆われています。この膜が、目の表面を守り、うるおいを保ち、ものを見やすくする役割を担っています。涙の膜には、油分や水分、タンパク質などが関わっています。油分は、まぶたの縁にあるマイボーム腺(涙の油分を分泌する腺)から分泌されます。
この涙の膜が不安定になると、乾いた感じや異物感、かすみなどの症状が出ることがあります。つまり、「涙が足りない」だけでなく、「涙の膜が安定して目の表面にとどまれない」ことも症状に関係しています。涙が出ていても症状が起こりうるのは、そのためです。
目の表面に傷がみられる場合もありますが、全員に傷があるわけではありません。
画面作業・乾燥・コンタクトなどが影響する
症状が出やすくなる、または悪化しやすくなる要因として、次のようなものが挙げられます。
- パソコンやスマートフォンの画面作業(瞬きの回数が減る、まぶたが十分に閉じない)
- 空気の乾燥、エアコンなどの風が直接当たる環境
- コンタクトレンズの装用
- 加齢
危険因子(きけんいんし:起こりやすさに関係する要因)は一つとは限らず、複数が重なることもあります。水分や栄養の不足だけで説明できるものでもありません。
口の乾きなど、目以外にも気になる症状がある場合は、受診時に伝えてください。全身の病気が関係していることもあります。現在使用している薬があっても、自己判断で中止しないでください。
症状が気になるときにできる対処
画面作業の休憩・まばたき・室内環境を見直す
軽い違和感がある場合に、日常生活でできることがあります。
- 画面作業の合間に、こまめに休憩をとる
- 自然な瞬きを意識し、完全なまばたき(無理なくまぶたをしっかり閉じること)をする
- エアコンなどの風が顔や目に直接当たらないようにする
- 乾燥が強い場合は、室内の環境を見直す(加湿など)
ただし、強い眼痛や急な見え方の変化がある場合は、これらを試すより先に、前述の受診の目安を確認してください。
こうした工夫は症状をやわらげる助けになることがありますが、原因の診断や治療の代わりにはなりません。
目薬とコンタクトは使用条件を確認する
市販の点眼薬(てんがんやく:目にさす薬)には、人工涙液(涙の水分などを補う点眼薬)をはじめ、さまざまな種類があります。使うときは、次の点を確認してください。
- 商品の目的(何のための点眼薬か)
- 用法・用量(回数や使用方法)
- コンタクトレンズを装用したまま使えるかどうか
目薬の回数を自己判断で増やすことは避け、用法・用量を守ってください。症状だけから必要な成分を自己判断せず、選び方に迷う場合は薬剤師や眼科医に相談してください。
コンタクト装用中に痛みや充血が出たときは、使用を中止して眼科を受診してください。
眼科では涙や目の表面を確認して治療を考える
問診・目の表面・涙の状態を総合して判断する
眼科では、まず症状や生活環境などについて聞く問診を行います。そのうえで、目の表面や涙の状態を調べ、医師が総合的に判断します。
検査には、次のようなものがあります。すべての人に全部の検査を行うわけではなく、必要に応じて選ばれます。
| 確認すること | 検査の例 | 主な目的 | 必要に応じて行うこと |
|---|---|---|---|
| 困っている症状や生活の状況 | 問診 | 症状や困りごとを把握する | 経過や使用中の点眼薬・コンタクトの詳しい確認 |
| 目の表面の状態 | 細隙灯(さいげきとう:目の表面などを見る顕微鏡)による観察、染色 | 目の表面の傷などの有無を確認する | 状態に応じた追加の確認 |
| 涙の膜の安定性 | BUT | 涙の膜が崩れ始めるまでの時間を調べる | 状態に応じた追加の確認 |
| 涙の量 | シルマー検査(ろ紙で涙の量を調べる検査) | 涙の量を確認する | 必要と判断された場合に実施 |
家庭で同じ検査を再現することはできません。オンラインのやり取りだけで、同じ検査ができるわけでもありません。確定診断のためには、対面での診察が必要になることがあります。
状態に合わせて点眼などの治療を選ぶ
治療は、診察の結果をもとに、医師が状態に合わせて選びます。生活環境の調整や点眼薬などが基本になりますが、必要に応じて、涙点プラグ(涙の排出口に栓をして、涙を目の表面にとどめる治療)が検討されることもあります。
どの治療が合うかは人によって異なります。治療の詳しい内容は、ドライアイの治療・対処法でも解説しています。
ドライアイの症状に関するよくある質問
ドライアイの症状は自然に治りますか?
一時的な乾燥感は、環境を整えることで軽くなる場合があります。ただし、原因や経過は人によって異なり、自然に治ると言い切ることはできません。症状が続くときは、眼科で診断と治療の相談をしましょう。
「初期」「末期」は症状だけで判断できますか?
症状だけで、一律の段階に分けることはできません。症状が強いときは、「末期かどうか」を考えるよりも、早めに受診が必要かどうかを確認することが大切です。
目薬で楽になれば、ドライアイと判断できますか?
目薬で一時的に楽になっても、それだけでは原因や診断は確定できません。症状が続く、繰り返す、痛みや見え方の変化がある場合は、前述の受診の目安に沿って眼科で相談してください。
まとめ|症状を整理し、気になる変化は眼科で確認する
ドライアイの症状は、乾き以外にも、異物感、かすみ、涙目、充血などさまざまで、症状だけでは判断できません。まずは症状や経過を記録し、続くときは眼科に相談しましょう。急に見えにくくなった、強い目の痛みがある、頭痛や吐き気を伴うといった場合は、ドライアイと決めつけず、速やかに対面で受診してください。
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