パソコンやスマートフォンを使ったあと、目の疲れを感じたことがある方は多いはずです。ただ、少し休めば軽くなる一時的な疲れ目と、休んでも十分に回復しない眼精疲労は、同じものではありません。眼精疲労では、目...
眼精疲労に目薬は効く?市販薬の選び方・成分・処方薬との違いを解説
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パソコンやスマートフォンで目が疲れると、まず目薬を思い浮かべる方は多いはずです。ただ、「眼精疲労に一番効く目薬」が、誰にでも当てはまる形で決まっているわけではありません。目の疲れ方や乾きの程度、コンタクトレンズを使っているかどうかによって、合う目薬の選び方は変わります。
また、目薬で目の疲れや不快感が和らぐ場合はあっても、眼精疲労の原因そのものが目薬だけで解消されるとは限りません。市販目薬の選び方、成分の見方、処方薬との違い、眼科を受診する目安まで、順にお伝えします。
眼精疲労は目薬だけで治るとは限らない
目薬は、目の疲れや乾き、かすみといった症状を和らげるために使うものです。眼精疲労の原因を取り除くものではないため、「目薬をさせば治る」とは言い切れません。
目薬で症状を和らげられる場合はある
長時間の画面作業のあとに目が重い、ピントが合いにくい、目が乾く。こうした一時的な疲れ目であれば、目の状態に合った市販目薬が役立つ場合があります。ピントを合わせる筋肉の使いすぎや、まばたきの減少による乾きが疲れの背景にあるときは、点眼で目の負担を軽くできる可能性があります。
市販目薬が役に立たないわけではありません。ただし、目薬でできるのは症状を和らげるところまでで、疲れの原因への対処とは分けて考える必要があります。
眼精疲労では原因への対処も必要
疲れ目は、休息や睡眠をとれば回復しやすい一時的な状態です。一方、眼精疲労は、休んでも目の疲れが回復しにくく、目の痛みやかすみ、頭痛、肩こりなどの症状が続く状態を指します。疲れ目が積み重なって眼精疲労につながることもあり、両者は地続きですが、同じものではありません。詳しくは疲れ目と眼精疲労の違いもあわせてご覧ください。
背景には、メガネやコンタクトレンズの度数が合っていない、老視(いわゆる老眼)が始まっている、ドライアイがある、画面作業の環境が目に負担をかけている、といった原因が隠れていることがあります。こうした原因は目薬だけでは解消できません。目薬は症状を和らげる手段のひとつと位置づけ、原因の見直しと並行して考えることが大切です。
眼精疲労・疲れ目の市販目薬はどう選ぶ?
目薬は、商品名ではなく「いま何がいちばん困っているか」から選ぶと整理しやすくなります。疲れやピントの合いにくさ、乾き、充血など中心となる症状と、コンタクトレンズの使用有無が選ぶときの軸になります。

「一番効く」の目薬が一律にあるわけではない
「一番効く」とうたわれる目薬や、ランキング上位の商品を探したくなる気持ちはわかります。しかし、目の疲れの原因は人によって異なり、同じ目薬でも合う人と合わない人がいます。成分の種類が多いことや、さしたときの清涼感の強さは、使い心地の違いであって、効き目の強さを示すものではありません。
ひとつの商品を万能薬のように考えるより、自分の症状に合った成分が入っているか、自分の使用条件で使えるかを確認するほうが、目薬選びとしては確実です。
目の疲れ・ピントの合わせづらさが気になる場合
近くを見続けたあとにピントが合いにくい、目の奥が重い、といった症状が中心なら、疲れ目用として販売されている目薬が選択肢になります。ピント調節に関わる成分や、目の代謝を助けるビタミン類を配合したものが多く、パッケージの効能・効果に目の疲れやピント調節の記載があるかが目安です。成分の見方は、次の章で詳しくお伝えします。
目の乾き・ドライアイも気になる場合
目の乾き、ゴロゴロとした異物感、しみる感じが強いときは、疲れ目用よりも、涙を補ったり目の表面を保護したりするタイプが合う場合があります。疲れと乾きの両方がある場合の考え方は、後の章で取り上げます。
充血・炎症など別の症状がある場合
白目の充血、かゆみ、目やに、痛みが目立つときは、疲れ目用の目薬では対応できない状態かもしれません。かゆみにはアレルギー用、充血には充血用など、症状に応じた目薬がありますが、目やにや強いかゆみ、痛みを伴う場合は、感染症やアレルギー性の病気が関わっていることもあります。自己判断で目薬を替え続けず、眼科で原因を確認してください。
眼精疲労・疲れ目用の目薬で確認される主な成分
疲れ目用の目薬は、有効成分の組み合わせによって特徴が分かれます。外箱の成分表示を見れば、その目薬が何を目的につくられているかを読み取れます。ここで挙げるのは代表的な成分で、配合されているかどうか、どの程度入っているかは製品ごとに異なります。
ピント調節に関係する成分
ピントは、目の中のレンズ(水晶体)の厚みを毛様体筋という筋肉が調整することで合わせています。近くを長く見続けると、この筋肉が緊張した状態が続き、疲れやピントの合いにくさにつながります。
ネオスチグミンメチル硫酸塩は、この毛様体筋の働きを助ける目的で、疲れ目用の目薬に配合されている成分です。シアノコバラミン(ビタミンB12)も、目の調節機能の回復を助ける目的で配合されることがあります。
ただし、配合されているからといって、誰にでも同じように効果が現れるわけではありません。持病がある方や、ほかの薬を使っている方は、使える成分かどうかを添付文書で確認するか、薬剤師に相談してください。
目の代謝・栄養補給を補助する成分
ビタミンB6、ビタミンE、タウリンなどは、疲れた目の組織の代謝や栄養補給を助ける目的で配合される成分です。ビタミンEには血行を促す働きも期待されています。目の組織を支える補助的な役割を担うもので、これらが入っているだけで疲れの原因が解消されるわけではありません。
角膜や涙液を補助する成分
コンドロイチン硫酸エステルナトリウムやヒアルロン酸は、角膜の表面を保護し、水分を保つ目的で配合される成分です。塩化ナトリウムなど涙に近い成分を中心とした人工涙液タイプは、目の表面をうるおし、汚れを洗い流す役割があります。乾きやゴロゴロ感が気になるときは、こうした成分が入っているかどうかも確認するポイントです。

成分数の多さだけで目薬を選ばない
成分がたくさん入っているから効果が高い、とは言えません。大切なのは、自分の症状に必要な成分が入っているかどうかです。外箱の効能・効果の欄と、いま困っている症状を照らし合わせてみてください。成分が増えれば、使用上の注意で確認すべき項目も増えます。数の多さではなく、症状との合い方で選ぶようにしましょう。
ドライアイを伴う眼精疲労では目薬の選び方が変わる
疲れだけでなく目の乾きも強い場合は、疲れ目用の目薬より、涙を補うタイプのほうが合うことがあります。
目の乾きが疲れにつながることがある
画面を見つめているとまばたきの回数が減り、涙が蒸発しやすくなります。目の表面が乾くと見え方が不安定になり、見えにくさを補おうとして目に余計な負担がかかる場合があります。その結果、疲れ、かすみ、重い感じ、ゴロゴロとした異物感として自覚されることがあります。
乾きが疲れの背景にあるのに、ピント調節を目的とした目薬だけを使っていても、乾きの症状は残る可能性があります。目薬を選ぶときは、疲れと乾きのどちらが強いのかを振り返ってみてください。
乾燥が続く場合はドライアイ自体の評価が必要
目薬をさしてもすぐ乾きが戻る、しみる感じやかすみが続くといった場合は、ドライアイそのものの程度や原因を調べる必要があります。涙の量や質、まぶたの状態など、乾きの背景はさまざまです。自己判断で目薬を使い続けるより、眼科で確認したほうが、適した対応を選びやすくなります。ドライアイの原因や治療については、別の記事で詳しく解説しています。
コンタクトレンズ使用中の目薬は使用可否を確認する
コンタクトレンズをつけたまま使える目薬は、製品によって異なります。「目薬ならどれでも使える」と考えず、必ず表示を確認してください。
コンタクトをつけたまま使える目薬と使えない目薬がある
多くの目薬は、成分や防腐剤がレンズに付着したり、レンズの状態に影響したりする可能性があるため、レンズを外してからさすよう表示されています。一方で、装用中に使えることを明記した製品もあります。レンズを外して点眼する場合、再びつけるまでにあける時間も製品ごとに違うため、外箱や添付文書の指示に従ってください。
なお、「コンタクト用」と書かれていても、あらゆるレンズに対応しているとは限りません。コンタクトレンズを使っていると目が乾きやすく、疲れも出やすくなります。コンタクトレンズとドライアイの関係もあわせて確認しておくと、目薬選びの参考になります。
レンズの種類も確認する
ソフトレンズ、ハードレンズ、使い捨てタイプ、カラーコンタクトなど、レンズの種類によっても使える目薬は変わります。外箱に「ソフトコンタクトレンズ装用中に使用可」「ハードコンタクトレンズ装用中に使用可」などの記載があるので、自分のレンズが対象に含まれているかを確かめましょう。判断に迷うときは、薬剤師や眼科で相談すると安心です。装用中にさして、しみる、違和感が出るといった症状があれば、すぐに使用を中止してください。
眼科では眼精疲労に目薬を処方してもらえる?
眼科では、診察で目の状態を確認したうえで、必要に応じて点眼薬が処方される場合があります。どの薬が使われるかは目の状態によって異なり、医師が判断します。
原因に応じて点眼薬が使われる場合がある
眼科ではまず、視力や屈折の状態、ピント調節の状態、涙の状態、目の表面の様子などを確認し、疲れの原因を探ります。たとえば乾きが関わっていれば涙を補う点眼薬が、そのほかの原因が見つかればそれに応じた対応がとられるなど、原因と症状に合わせて点眼薬が使われることがあります。
診察前に「この目薬が処方される」とは決められません。点眼薬を使うかどうか、どの薬を使うかは、診察の結果をもとに決まります。
市販薬と処方薬は目的や選ばれ方が異なる
市販の目薬は、自分で症状を判断し、外箱の表示を見て選んで使います。処方薬は、診察で目の状態を確認したうえで、その薬が必要かどうかを医師が判断して使います。どちらが上か下かではなく、役割と選ばれ方が違うと考えてください。
軽い疲れ目なら市販薬で対応できる場合もありますが、症状が長引くときや、原因がはっきりしないときは、目薬を選ぶ前に原因を確認したほうがよいことがあります。

目薬以外の原因への対処が必要なこともある
眼精疲労の背景に、メガネやコンタクトレンズの度数が合っていない、老視が始まっている、ドライアイがある、画面作業の環境が目に負担をかけている、といった原因があれば、点眼薬だけでは十分に対応できません。矯正の見直しや作業環境の調整が必要になります。ほかの目の病気や全身の状態が関わっている場合もあり、こうした原因を見きわめられるのが、眼科で診察を受けるメリットです。
眼精疲労で目薬を使うときの注意点
目薬は手軽に買えますが、表示を確認せずに使い続けるとトラブルにつながる場合があります。基本は、使う前に製品の表示を読むことです。

用法・用量は製品ごとに確認する
1回にさす量、1日にさせる回数、点眼の間隔は、製品によって異なります。外箱や添付文書に書かれた用法・用量を必ず確認し、決められた量や回数を超えて使わないでください。開封後の使用期限も製品ごとに違います。容器の先端がまつげや目に触れないように注意することも大切です。
妊娠中・授乳中の方、お子さん、持病のある方、ほかの点眼薬や薬を使っている方は、使う前に薬剤師や医師に相談してください。
血管収縮成分を「効き目の強さ」で選ばない
血管収縮成分は、白目の充血を一時的に抑える目的で配合される成分です。疲れ目そのものを和らげる成分とは目的が異なるため、さした直後に白目がすっきりして見えても、疲れの原因に作用しているとは限りません。
一律に悪い成分というわけではなく、充血が気になるときに使われる成分です。ただし、使い続けることで充血が起こりやすくなる場合があるため、長期の連用を避けるよう表示された製品もあります。緑内障などの持病がある方は使えないことがあるので、使用前に添付文書を確認してください。
防腐剤の有無だけで良し悪しを決めない
何度も繰り返して使う目薬には、容器の中で雑菌が増えるのを防ぐために防腐剤が入っているものがあります。防腐剤を使わない使い切りタイプもありますが、「防腐剤なしなら安全」「防腐剤入りなら悪い」と単純には分けられません。使い切りタイプは、開封後に保存して再利用しないことが前提です。防腐剤が気になる方や、目の表面が弱い方は、薬剤師や眼科で相談してください。
他人の目薬を使わない
家族であっても、目薬の共用は避けてください。人によって目の状態や症状が異なり、コンタクトレンズの使用条件も違います。容器の先端を介して、感染が広がるおそれもあります。
目薬がしみる・症状が悪化する場合は使用を続けない
さしたあとに強いしみ、かゆみ、痛みが出た、充血が増えた、目やにが出てきた、見えにくくなったといった場合は、使用を中止して眼科や薬剤師に相談してください。目薬のせいとは限りませんが、そのまま使い続けると症状が長引く原因になります。
目薬を使っても眼精疲労が改善しないときは眼科へ
目薬を使っても改善しないときは、目薬の選び方を見直す前に、原因を調べる段階にあると考えてください。
休んでも目の疲れが続く
しっかり休息や睡眠をとっても疲れが抜けない、あるいは良くなってもすぐに繰り返す場合は、一時的な疲れ目ではなく、眼精疲労になっている可能性があります。背景に、度数の合わないメガネやコンタクトレンズ、老視、ドライアイなどが隠れていることもあります。
目薬を使っても改善しない
目薬をさしたときは楽になっても、すぐに元へ戻ってしまう。いくつか試しても変化がない。こうした場合は、次々に目薬を替えるより、眼科で原因を確認したほうが近道です。
頭痛・肩こりなど目以外の症状が続く
目の疲れに加えて、頭痛や肩こりが続くことがあります。眼精疲労に伴って現れる場合もありますが、ほかの原因が関わっている可能性もあります。目薬は頭痛や肩こりを直接治療するものではありません。眼科で目の状態を調べ、目に原因が見つからなければ、別の診療科への相談が必要になる場合もあります。
強い目の痛みや急な見え方の変化がある
強い目の痛みや急激な視力低下がある場合は、自己判断で様子を見続けず、速やかに眼科を受診してください。緊急の対応が必要な病気が関わっていることがあります。オンライン診療より、対面での検査を優先してください。
目の症状でお悩みの方へ
目の症状について、
オンラインで眼科医の診察を受けられます
症状が続く場合や、受診したほうがよいか迷う場合は、
オンライン診療をご検討ください。
※症状や診察結果により、対面受診をご案内する場合があります。
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眼精疲労と目薬についてよくある質問
眼精疲労に一番効く目薬はありますか?
一律に「一番効く」と決められる目薬はありません。目の疲れ、乾き、充血、コンタクトレンズの使用有無などによって、合う目薬は変わります。外箱の効能・効果と成分表示を、いまの症状と照らして選んでください。使っても改善しない場合は、眼科で原因を確認しましょう。
眼精疲労は市販の目薬で治せますか?
市販の目薬で、疲れ目などの症状が和らぐ場合はあります。ただ、眼精疲労の原因が目薬だけで解決するとは限りません。度数の合わないメガネやコンタクトレンズ、老視、ドライアイ、作業環境などが背景にあることもあるため、症状が続くときは眼科を受診してください。
眼科では眼精疲労の目薬を処方してもらえますか?
診察で原因を確認したうえで、必要と判断された場合に点眼薬が処方されることがあります。どの点眼薬を使うかは目の状態によって異なり、医師が判断します。
コンタクトをつけたまま目薬を使えますか?
製品やレンズの種類によって異なります。装用中に使えることが明記された目薬もあれば、レンズを外してからさすよう指示された目薬もあります。ソフトレンズかハードレンズかも含めて、外箱や添付文書の表示を確認してください。
眼精疲労の目薬は1日何回使えばよいですか?
回数は製品によって異なるため、一律にお伝えできません。外箱や添付文書に書かれた用法・用量を確認し、決められた量や回数を超えて使わないようにしてください。眼科で処方された場合は、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
眼精疲労による頭痛に目薬は効きますか?
目薬は頭痛そのものを治療するものではありません。眼精疲労に伴う頭痛もありますが、ほかの原因で頭痛が起きている場合もあります。頭痛が強い、続く、吐き気を伴うといったときは受診してください。眼精疲労による頭痛の原因や対処法も参考になります。
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